「定番」こそが最強のコーディネートアイテム
SNSや雑誌で紹介されるスニーカーは、数万円もする限定モデルやハイブランドのものばかり。しかし、実際に街でお洒落に見える人が全員そんな高い靴を履いているかと言えば、決してそうではありません。むしろ、誰もが知っている数千円〜1万円程度の「ド定番」モデルを、バランス良く履きこなしている人こそが、真にセンスのある大人と言えます。
高価なスニーカーはデザインが複雑で主張が激しく、服との合わせが難しいこともしばしばです。一方、長年愛され続けているスタンダードなモデルは、デザインが削ぎ落とされているため、あらゆるファッションスタイルに自然に溶け込みます。今回は、お財布に優しい価格帯でありながら、決して安っぽく見えない「名作定番スニーカー」を使い、いつもの服装を格上げするコーディネート術を紹介します。
Style 1:セットアップを崩す「王道ランニングスタイル」
仕事でもプライベートでも使えるセットアップ(ジャケットとパンツ)スタイル。ここに革靴を合わせると堅苦しくなりますが、適度にスポーティーなランニングシューズを合わせることで、親しみやすい印象を作ることができます。
New Balance ML373 / ML574
ニューバランスの中でも、手頃な価格で手に入るのが373や574といったモデルです。丸みを帯びたクラシックなフォルムと、スエード×メッシュの素材感は、ジャケットの「きちんと感」を程よく中和してくれます。1万円以下で購入できることも多く、カラーバリエーションも豊富です。
コーディネートのコツ:
ネイビーやグレーのセットアップには、同系色のグレーのニューバランスを合わせるのが鉄板です。足元だけ浮くことなく、グラデーションで繋がるため脚が長く見えます。インナーには白のTシャツやニットを合わせ、清潔感を意識しましょう。紐をギュッと結んでフォルムを細く見せると、よりスマートな印象になります。
Style 2:ワイドパンツを受け止める「ローテク・ボリューム」
太めのパンツ(ワイドパンツやカーゴパンツ)を履く際、華奢なスニーカーでは足元が頼りなく見えてしまいます。そこで活躍するのが、ソールが平らで適度なボリュームがある「コート系(テニスやバスケ由来)」のスニーカーです。
adidas Originals STAN SMITH / SUPERSTAR
アディダスのスタンスミスやスーパースターは、スニーカーの代名詞とも言える存在です。特にスタンスミスは、レザー(現在はサステナブル素材)の質感が上品で、価格も1万円前後と手頃です。シンプルながらも存在感のあるシルエットは、太いパンツの裾ともバランスが取りやすく、足元をしっかりと主張してくれます。
コーディネートのコツ:
カーキのカーゴパンツや太めのデニムに、白のスタンスミスを合わせてみてください。パンツの無骨さとスニーカーのクリーンさが対比となり、清潔感のあるカジュアルスタイルが完成します。少しパンツの裾をロールアップして、スニーカーのタン(ベロ部分)にあるロゴを見せるのも効果的なアクセントになります。
Style 3:大人の休日を作る「キャンバス・シック」
リラックスしたい休日のスタイルには、気取らないキャンバス素材のスニーカーが最適です。しかし、子供っぽくならないように選び方と合わせ方には工夫が必要です。
CONVERSE ALL STAR (US ORIGINATOR)
誰もが知るコンバースのオールスターですが、数千円で買える通常モデルの他に、「U.S. ORIGINATOR」というヴィンテージ仕様のモデルが存在します(それでも価格は1万円以下です)。通常モデルよりもラバー部分に光沢があり、紐もコットン素材で風合いが良く、履くだけで「こだわりのある人」に見えます。
コーディネートのコツ:
ベージュのチノパンやショートパンツに、ハイカットのオールスターを合わせます。色は黒や生成り(オフホワイト)が使いやすくおすすめです。ハイカットの場合、足首が隠れるため、パンツの丈は少し短めにしてスニーカー全体を見せるか、逆にフルレングスで被せてしまうかの二択で潔く履きこなしましょう。靴紐を少し緩めに通し、ラフな雰囲気を出すのがこなれ感の秘訣です。
Style 4:ストリート感を出す「スケータースタイル」
パーカーやスウェットパンツといったラフなアイテムには、耐久性があり、地面を掴むグリップ力に優れたスケートボードシューズがハマります。安価で丈夫、そしてカルチャーを感じさせる一足を選びましょう。
VANS OLD SKOOL
側面の白いライン(ジャズストライプ)が特徴のオールドスクール。7,000円〜8,000円程度で購入でき、耐久性は抜群です。スエードとキャンバスのコンビネーション素材は、履き込むほどに味がでて、少し汚れているくらいが格好良いとさえ言われます。
コーディネートのコツ:
黒のジョガーパンツやスウェットパンツに、黒×白のオールドスクールを合わせるモノトーンスタイルが基本です。ソックスにライン入りのものを選び、足首からチラ見せすると、今っぽいスポーツミックススタイルになります。キャップやバックパックなどの小物とスニーカーの色を合わせると、全身に統一感が生まれます。
Style 5:トレンドを楽しむ「コスパ・テック」
最近流行りの「テック系(機能的で近未来的なデザイン)」のスニーカーは高価なものが多いですが、実は身近なブランドで高機能かつ安価なモデルが手に入ります。
MoonStar 810s (エイトテンス)
日本の老舗メーカー「ムーンスター」が展開する810sシリーズは、ほぼ全てのモデルが1万円以下で購入可能です。看護師用や厨房用シューズをルーツに持つため機能性は折り紙付きで、デザインは極めてミニマルで都会的。高価なハイテクスニーカーに見劣りしない、今一番「賢い」選択肢です。
コーディネートのコツ:
全身を黒やグレーでまとめたシンプルな服装に、810sの「KITCHE」や「STUDEN」を合わせます。余計な装飾がないため、ユニクロやGUの服と合わせても「高見え」するのが最大の特徴です。ワイドスラックスに合わせてモードに着こなすのも良いでしょう。
価格ではなく「合わせ方」で差をつける
今回紹介したスニーカーは、どれも靴屋に行けば必ず置いてあるような定番品ばかりです。しかし、ファッションにおいて「定番」とは「完成されている」ことを意味します。何万円もするレアなスニーカーを履いてアンバランスになるよりも、1万円以下の定番スニーカーを自分のスタイルに合わせて履きこなす方が、はるかに格好良く、知的に見えます。ぜひ、手持ちの服との新しい組み合わせを楽しんでみてください。